かみさまは、どこに
「コレットちゃん、何してんの?」
「お祈りしてるの。みんながしあわせでありますようにって」
そう言って、彼女は右手で聖印をきる。
ゆっくりと、二回。
「ありゃ、もう一回?」
「うん。これからするのは、特別なお祈り」
「……ふうん」
ゆっくりと瞳を閉じる彼女を見ながら、右手を動かす。
何千回とやらされて、身体にしみついた聖印をきる動き。
……神様なんて信じていない、自分がやっても意味はないかもしれないけれど。
かみさま。
せめて祈らせてください。
あなたをしんじているこの子のしあわせを。
自然と伏せていた目をあけると、彼女が見つめていた。
「ねぇゼロス、なにをお祈りしたの?」
「……秘密」
「……じゃあわたしのお祈りも、秘密にしちゃお」
かみさま。
どうか祈らせてください。
誰よりもあなたをしんじたかった、この人のしあわせを。