君が染まる日
「……ねぇロイド。ゼロスの最後の言葉、何だったの?」
問いかけた背中が、びくり、とふるえた。
コレットはそれを見て、もう一度、言葉をつむぐ。
「ごめんね、ロイド。わたし意地悪だったね」
「……いいや」
「ほんとうは、知ってるんだ。最後の言葉――」
ロイドが、振り向く。
コレットはゆっくりとくちびるを動かした。
……う・そ・つ・き。
「合ってるでしょう?ね?」
ゼロスは確かにそう言った。
声はかすれて、自分にしか聞こえなかっただろうけど。
「ゼロスはロイドが好きだったから、綺麗なままでいてほしかったんだよ
わたしがロイドを好きなのとおなじように、綺麗なロイドが好きだったの」
淡々と、コレットは話を続けていく。
「信じることをやめたりしない、失敗なんかおそれない――
光みたいなロイドのことが、わたしもゼロスも好きだったの」
「……ねぇロイド、だますよりだまされろだ、って、言ってたよね。
でもあの日のロイドはそうじゃなかったよね」
あの日。彼が命を落としたあの日。
出発する前の、あの問いかけ。
「わたしはゼロスがいてくれたから、大丈夫だったけど。
ゼロスはわたしよりもロイドのことを信じていたから――」
……だから?
……だから彼は死を選んだ?
「――そんな、こと……」
「そうだね。ほんとうは分からないよね。ゼロスが何を考えてたのか」
「……でもわたしはそう思ってるよ?」
――本当のことなんて分からない。
でも、ひとつだけ、ロイドにも分かることがある。
……これからロイドの見る世界は、真っ白なんかじゃなくなったってこと。
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……コレットちゃんが過去最高に黒いです。
責めてるというよりは理解できなくて八つ当たりしてるだけのような気も。