拍手で5のお題/仕事着(ジェイドとルークとアニス)

「神託の盾騎士団導師守護役所属、アニス・タトリン奏長しょーりっ!」
「……前から思ってたんだけど」
「ふへ?なに、ルーク?」
「その服、教団の制服なのか?他では見たことないけど」

 なあジェイド、と話を振られて、食えない大人は笑顔で答える。
「まあ、そうだと思いますよ。細部はいろいろ違うようですが」
「……細部って」
「襟の形や裾の長さ、細かい装飾、などですね」
「あちゃー、やっぱり大佐にはバレてましたか?」

 これ頑張って改造したんですよー、と少女はぱたぱた手を振った。
「え、制服だろ?改造とかしていいのか?」
「大丈夫♪だってアニスちゃん導師守護役だしー?」
「ほう、職権濫用ですか」
「大佐はいちいちうるさいでーす。ま、単独任務が多いひとは割と好き勝手やってるんだよね」
「……ああ、六神将とか?」
 ちなみにルークの頭の中には死神ディスト(のエリマキと椅子)が浮かんでいる。
「うん、六神将とか」
 そう言うアニスの脳裏にはぬいぐるみを抱える根暗ッタ……もといアリエッタの姿。

「もともと儀礼用ですからねえ、教団服は。実戦には向きませんよ」
 もっとも、その姿で剣を振るう馬鹿も少なくないようですが――ジェイドがそう続けると、アニスは笑って、ルークは不思議そうな顔をした。

「……馬鹿って、そんな奴いたっけ?」
 モースとか確かに動きにくそうだったけど、剣を使うようには見えなかった。
「あはははは、ルーク、それ、総長とアッシュだよ……!」
「――あー……確かに」
 師匠はともかく――アッシュに対しては『そんな格好で戦闘するのか』と思わず聞いてしまったことがある。
 ワイヨン鏡窟でのことだ。ちなみにアッシュには、そこだけ綺麗に無視された。


「まあ、彼らなりのこだわりがあるのでしょう。私には理解できませんがね」
 名よりも実を取る、死霊使いらしいコメントには導師守護役が突っ込みをいれた。

「大佐だってひとのこと言えないじゃないですかー。その長ーい襟とか」
「ああ、これですか?階級が上がればあがるほど、後ろが長くなっていくしきたりなんですよ。元帥になるとマントのように地面についてしまうんです。大変ですよねえ」
「…………」
「…………」
「……嘘ですよね、ソレ」
「はい。嘘です」
 真顔で返すアニスに、笑顔のままでジェイド。
 うっかり信じかけたルークは、なんともいえない顔をしている。



「本当はね、これはこう、耳の横に立てると遠くの音も聞こえるように譜術を施してあるんですよー」
「え、本当か?」

「……や、それも多分嘘だから。信じちゃ駄目だよルーク」

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お題はくじらのゆりかごからお借りしました。