わからないこと

「あーもう!この屋敷も庭もうんざりだ!」

 そうルークがぼやくのは、嫌なことがあった時の、癖のようなものだった。


「何で伯父上も父上も、オレをこんなところに閉じ込めておくんだか……」

「……そうだな」

 一拍遅れた返答に、ルークが首をかしげた。

「ガイ?どうしたんだよ」
「いや、何でもない」



 ルークには、わからないこと。
 なぜ屋敷の中にとじこめておくのか。

 その理由が、すこし、分かった気がしただけだ。

 その思いつきは、また消えてしまったけれど。








 閃光と共に、ふたりの姿が消えて。
 返事がかえってくるはずのない呼びかけを、続けた。

「ルーク!どこいっちまったんだよ!……ルーク!」



 ……ああ、思い出した。

 ルークには、わからないこと。
 その理由が、わかってしまった。






 ――……喪失の、恐怖だ。

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発売前の妄想文章その1。まだズレが少ない気がしたので公開。
……つまりそれだけ他のがズレていたということで。